第41章:リース

彼女が俺の腕の中で力を抜くと、俺は優しくその髪を撫でた。世界があるべき姿に収まったような心地よさがあったが、訓練センターでの彼女の反応がどうしても気にかかっていた。ほんの少し触れただけで、彼女は明らかに情欲を掻き立てられていたのだ。もし俺ほど自制心のない男が相手だったら、彼女はどうなっていただろうか?

「他の男がお前に触れるなんて、耐えられない。こんな風にお前に触れていいのは俺だけだ、グレース。他の誰にも指一本触れさせない」俺は彼女が俺のものであると、改めて言い聞かせた。

彼女の体が少し強張った。俺の言葉にも、俺自身にも反応を示そうとしない。

「グレース?」俺は身を乗り出して彼女の顔を覗...

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