第77章:恵み

胸の中で心臓が激しく脈打っていた。死ぬ? 私が死ぬべきだったということ? 彼らは私の死を望むほど、私を憎んでいたの? いや、それほどの憎しみがあったのは明らかだけれど、それでも……。彼らは私を封印したとき、その事実を知っていたのだろうか?

リースが私の手を強く握りしめ、心配そうな眼差しを向けた。

「誰かの力を封印することは、狼にとって最も重い処罰だと考えられている」アーロが説明を続けた。「決して軽々しく行われるべきことではないんだ。だが、この文献には実際に封印が行われたいくつかの事例について記されている。僕自身が封印されたとき、それが単なる伝説ではないと気づくべきだったんだが、当時は深く考...

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