第98話恵み

私とリースは、子供たちを収容するために封鎖された大広間へと向かった。パックハウス内は大混乱に陥っていた。診療所のロビーの入り口には簡易救護所が設けられ、キッチンには到着した人々のためにビュッフェ形式の食事が用意されていた。誰の顔にも、私自身が感じているのと同じ疲労の色が浮かんでおり、正直なところ、私の顔にもそれが表れていただろう。リースと私は清潔な服に着替え、シャワーを浴びる時間はなかったものの、肌についた血をできる限り洗い落としていた。不快感は残っていたが、身を清める時間は後で作れるとわかっていた。今は、こちらのほうが重要だったのだ。

「ああ、よかった、神様!」

安堵した声が響き、アラナ...

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