第7章

「ではこれより投票を開始します。三好夜お嬢様を三好家グループの副社長に任命することに賛成の取締役は挙手を!」

取締役会の会議室に、筆頭取締役の声が雷鳴のように響き渡った。

巨大な全面窓からは都市全体が見下ろせ、楕円形のテーブルの周りには、スーツに身を包んだ取締役会のメンバーがずらりと着席している。

私が取締役としてこの場に座るのは初めてで、全員の視線が自分に集中しているのを感じた。

八つの手が、ゆっくりと持ち上がる。

「反対の方は挙手を!」

挙がった手は三つだけ。父である三好正輝の顔は、まるで絵の具パレットをひっくり返したかのように複雑な色をしていた。

「投票は可決さ...

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