第101章

杉本麗良はびくっと体を強張らせた。予想外の反応だったのか、ためらいがちに太田瀬里奈をちらりと見る。

太田瀬里奈は慌てて目配せをした。

「南さんが持ってこいって言ってるのよ。何をぼんやりしてるの」

杉本麗良はそこでようやく我に返り、ぎこちない足取りでデスクへ歩み寄ると、両手でファイルを差し出した。緊張のあまり、手のひらにはじっとりと汗がにじんでいる。

南はファイルを受け取ると、パラパラとページをめくっていく。須藤香里の元で一ヶ月近くも滞留し、無数に突き返されてきたデザイン画だが、彼女にとっては数分で目を通せる代物にすぎなかった。恐るべき速読でありながら、その表情は終始凪いだままで、まる...

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