第104章

杉本麗良と杉本安の姉弟は少し躊躇ったものの、結局は南の静かで威厳のある眼差しに促されるように、びくびくとしながらマイバッハの広くて快適な後部座席に乗り込んだ。

車内は静まり返っており、エンジンが微かに唸る音だけが響いていた。

杉本麗良と杉本安の姉弟は肩を並べて畏まり、体をピンと強張らせている。高価な本革シートを汚してしまわないかと、呼吸すらも慎重になっていた。

一方の南は反対側に寄りかかって目を閉じ、二人の緊張など全く気にも留めていない様子だ。

助手席に座る太田瀬里奈は、時折ルームミラー越しに後部座席をちらりと覗き込み、心の中で密かに感嘆していた。

南という人は、一見すると冷淡に見...

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