第11章

南が口を開くより早く、周防奏夢は親しげに周防逸のそばへすり寄り、体全体をぴったりと密着させるようにして彼の腕に自分の腕を絡め、甘ったるい声を出した。

「お兄ちゃん、これ食べてみて。お兄ちゃんのために特別に作ったの」

彼女はそんな親密な態度を見せつけることで、自分がこの家と二十年間築き上げてきた揺るぎない絆を南に誇示しようとしていたのだ。

周防逸は即座に眉をひそめ、腕を引き抜こうとした。

だが南はふっと軽く笑い、箸を置いた。

彼女は余裕たっぷりの態度で周防奏夢を見つめる。その瞳には、どこか気怠げなからかいの色が混じっていた。

「寒いの?」

周防奏夢はきょとんとした。

「え?」

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