第112章

モニターの中では、オートクチュールのドレスに身を包んだ新谷杏那が、隙のないメイクでカメラに向かって得意げな笑みを浮かべていた。

その顔立ちは新谷家の養母に七分ほど似ていたが、あのような純朴さは微塵もなく、あるのは計算し尽くされた甘さだけだ。

南はその顔にしばし視線を留め、ゆっくりと唇の端を吊り上げた。ごく薄い、嘲笑を交えた笑みだった。

新谷杏那のあの程度の盗作と模倣の小賢しさで、デザイン界で生き残れるとでも思っているのだろうか。

まったく、笑わせてくれる。

車が停まり、南がドアを開けて降りようとした瞬間、腕を引かれた。

古川和津がいつの間にかシートベルトを外し、小さく精巧な軟膏を...

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