第123章

言葉を言い終えるより早く、ごく微かな嘲笑が南の唇から漏れた。

新谷杏那の泣き声が唐突に途切れ、信じられないといった面持ちで南を見つめる。

ここまで追い詰められておきながら、なぜこの女は笑っていられるのか。後ろめたさを誤魔化しているに違いない。

「お姉ちゃん、何を笑っているの?」新谷杏那の目からさらに大粒の涙がこぼれ落ちる。まるでこの世のすべての不条理を背負わされたかのように。「反論する証拠も出せないから、そうやって自分の後ろめたさと堕落を誤魔化すしかないの? 私、お姉ちゃんが本当に哀れでならないわ!」

この白黒を逆転させるような物言いは、南雲律也が底に抑え込んでいた怒りの炎に完全に火...

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