第139章

その言葉は情のこもったもので、デザインコンセプトを明確に示しながら、同時に自分の「苦労が報われた」生い立ちまで巧みに匂わせてみせた。会場からは賛辞を含んだ拍手が波のように広がる。

審査員たちも次々とうなずく。中でも、白髪交じりで業界の重鎮として知られる老デザイナーが、真っ先に口を開いた。声には惜しみない称賛が滲んでいる。

「新谷嬢のデザインは生命力に満ちています。まだキャリアの浅い新人だとは、とても信じがたい。感情を掬い取る力……これは本当に稀有ですよ」

別の女性審査員も、にこやかに頷いて続けた。

「ええ。完成度が高い。商業性と芸術性、その両方を成立させている。末恐ろしいですね」

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