第142章

新谷杏那が口を開くより早く、茂木修次は客席側のスタッフへ軽く合図を送った。

大スクリーンの映像が再び切り替わる。そこに映し出されたのは、公式のタイムスタンプが付いた電子ファイルの提出履歴だった。

「こちらは『真彩』様が暗号化されたルートで、国家芸術珍品展の組織委員会へ最終デザインを提出した際のバックエンド記録です。提出日時は——三か月前」

続いて、組織委員会の制服を着た中年男性が舞台へ上がる。手には一通の書類。表情は硬く、目つきは真っ直ぐだった。

「本珍品展のプロジェクト責任者の一人として証言いたします」

マイクへ向けられた声は、明瞭で、力がある。

「真彩さんの『曙光』は三か月前...

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