第148章

周防奏夢は、いっそ車の窓を開けて、このクソみたいなトロフィーを道路へ叩きつけてやりたくてたまらなかった。

南は何もしなくても、当然のように視線をさらっていく。

それなのに自分は、これほど長い時間をかけて仕込んできたというのに、最後に残ったのは――滑稽な道化の役だけ。

嫉妬という名の毒蛇が、周防奏夢の胸の奥で狂ったように牙を立てる。内臓を噛みちぎられる痛みで、血の気が引いた。

周防久林は「天才の娘を得た」喜びに浸っていたが、ふと、さっき壇上で見せた新谷家のふてぶてしい振る舞いを思い出すと、顔色がすっと陰った。

鼻で笑い、商売人の獰猛さを隠そうともしない。

「新谷邦彦の老いぼれめ。役...

ログインして続きを読む