第150章

新谷家の邸宅。

本来なら絢爛たるはずのリビングが、いまは息苦しいほどの静寂に沈んでいた。

新谷邦彦は荒い息をつきながら、テーブルの上のスマートフォンを睨む。

その瞬間、端末がぶるぶると激しく震えた。秘書の直通だ。

「社長! 大変です!」

受話口の向こう、秘書の声は裏返り、隠しきれない恐怖が滲む。

「会社がもう……めちゃくちゃです! ついさっき、話がまとまっていた大口の仕入れ先が三社そろって、契約解除の通知を出してきました! 違約金を払ってでも、今すぐ供給を止めるって……!」

新谷邦彦の瞳孔がきゅっと縮む。

がばっと上体を起こし、掠れた声を絞り出した。

「なぜだ……理由は!」...

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