第155章

太田部長は俯き、さも痛恨の極みといった顔を作って言った。

「申し訳ありません、古川社長。プロジェクト部の機密管理が甘く、相手に付け入る隙を与えてしまいました……」

「……残念?」

古川和津が、ふっと笑う。

その笑いは冷えきっていた。氷で研いだ刃が、太田部長の鼓膜をなぞるような――そんな寒気。

古川和津は南の拘束をゆっくり解くと、脇の引き出しから写真の束と、銀行取引明細のコピーを取り出した。

そして、ゴミでも投げ捨てるみたいに――

パァン。

太田部長の顔面へ叩きつけた。

「知らなかったな。太田部長の『残念』ってやつが、4億の値打ちとは」

床に散らばった写真には、太田部長が競...

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