第164章

「つまり……すぐ会社に戻ったってことか?」南は要点だけを鋭く拾った。

「はい!」杉本麗良は首がもげるほど頷く。「駅まで行って、すぐ引き返しました。会社を離れてたのは、たぶん30分もないです。慌てて出たから、パソコンもロックしてなくて……デザインの下絵が、画面にそのまま出しっぱなしだったんです!」

杉本麗良は悔しさに太ももを叩く。「でも……でも、戻ったら席は何も変わってなくて。マウスの位置だって動いてなくて、気にもしなかったんです。南社長、まさか……その30分が——」

「30分あれば、悪意のある人間には十分だ」南が冷笑する。「お前のデザインを、角度を変えて撮り尽くすくらいはな」

おびき...

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