第165章

杉本麗良は固まった。顔から血の気がすうっと引いていき、絶望のまま掠れ声でつぶやく。

「そ、それじゃ……このまま、あの女を見逃すんですか?」

「見逃す?」

南は手を放し、唇の端だけで笑った。温度のない冷笑。瞳の奥を、背筋が凍るほどの殺気が横切る。

「私はね、見逃すって言葉を知らないの。一度踏んだら、二度と立ち上がれないところまで叩き潰す。反撃の余地すら残さない」

南は警備隊長へ顔を向け、氷みたいな声で命じた。

「この映像は、暗号化してバックアップ。私の許可なく誰も閲覧禁止。情報も一切漏らさない。いい?」

警備隊長は冷や汗をだらだら流しながら、何度も首を縦に振った。

「りょ、了解...

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