第167章

「選びなさい、須藤部長」南が最後通牒を突きつけた。

須藤香里はその言葉を聞いた瞬間、全身がびくりと強張り、次の瞬間には尻尾を踏まれた猫みたいに椅子から跳ね上がった。

「ふざけないで!」須藤香里は南の鼻先を指差し、金切り声を張り上げる。虚勢の奥に、狂気がちらついていた。「盗撮? 木下咲彩? 何言ってるのかさっぱり分からない! 適当な名前をでっち上げて、偽の伝票を何枚か見せれば私が怯むとでも思った? 私はね、職場で何年も揉まれてきたの。伊達じゃないわ!」

歯を食いしばり、必死に平静を装う。木下咲彩とのやり取りはいつも慎重だった。使っていたのは個人の暗号化番号。南が決定的な証拠を握っているは...

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