第177章

朝食を済ませると、周防律は車を走らせ、周防グループ本社へ向かった。

最上階、社長室。巨大なガラス窓から落ちる陽光が、磨き上げられた大理石の床に白く反射している。

周防律は重厚なデスクの奥に腰を下ろし、手近な書類をぱらりと開いた。だが意識は、昨夜、周防久林が口にした言葉へと勝手に引き寄せられる。

――『会社の評判を取り戻すために、彼女は新人を連れて、あの世界規模の新鋭デザイナーコンテストに出る。しかも自分でな』

世界新鋭ジュエリーデザイナーコンテスト。

周防律の深い眼差しが、わずかに鋭く締まった。指先で内線ボタンを押し、低く冷たい声を落とす。

「林田を呼べ」

三十秒もしないうちに...

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