第18章

「古川さん、もう追わないんですか」松本浩介が恐る恐る尋ねた。

古川和津は、階下の絶対に手に入れるという気迫に満ちた女を一瞥し、「行くぞ」と短く告げた。

MMRも確かに重要だが、祖父の命には遠く及ばない。

松本浩介は慌てて後を追った。個室を出た瞬間、彼の脳裏に閃きが走り、急いで口を開いた。「古川さん、あの絵です! 思い出しました。今日、美術館であの絵を修復した『南先生』って、もしかして……」

古川和津の足がピタリと止まった。

彼は振り返り、再びガラス越しに、今や会場中の視線を集めているその女へと視線を落とした。

南先生、南。

彼女だったのか。

……

二階の個室の明かりが消え、...

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