第183章

新谷邦彦は苛立ちを隠しきれないまま電話を叩き切り、胸が大きく上下した。

三割。あの程度の金を南の穴埋めに回したところで、新谷家は骨の髄まで吸い尽くされるだけだ。

納得できない。こんな屈辱、絶対に受け入れられるはずがない。

その頃、周防邸の寝室では――。

南はシャワーを浴びたばかりで、シルクのパジャマ姿のままパソコンの前に腰を下ろしていた。白く冷たいモニターの光が、感情の起伏を一切見せない顔を照らす。

机の上のスマホがふっと明るくなった。代理弁護士からのメッセージだ。

『南嬢、新谷邦彦は買い手の提示額を拒否しました。まだしばらく粘るつもりのようで、手元の資産が惜しいのでしょう』

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