第196章

白い医療用ガーゼに、じわりと滲む鮮烈な赤。ハイビジョンの映像が、その一筋を容赦なく切り取っていた。

周防律の視線が鋭く凍りつく。組んでいた長い脚を、勢いよく床へ下ろした。

――怪我、してるのか?

眉間が一瞬で深く刻まれ、本人も気づかないほどの苛立ちが瞳の奥をよぎる。

昨日、配信で見たときは、確かに何ともなかった。たった一晩で、手首にこんな重い傷を負って……それも、血まで。

それなのに、スクリーンの中の南は、痛みなど存在しないかのようだった。

左手でサテン地をぴんと張り、右手は針に糸を通し、縫い進める。速すぎて、カメラ越しに残像が走るほどだ。

十数分も経たないうちに、月白の素絹の...

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