第23章

南(みなみ)が周防(すおう)家に戻ったのは、すでに深夜だった。

リビングにはまだ明かりが灯っていたが、その空気は異様なほどに重苦しかった。

宮瀬秋奈(みやせあきな)はソファに座り、しゃくり上げる人影の背中を優しく撫でていた。

薄手のワンピース姿で、肩を震わせながら涙で顔を濡らしているその姿は、間違いなく周防奏夢(すおうかなめ)だった。

「もういいのよ、奏夢。泣かないで、お母さんに何があったのか話してちょうだい」秋奈の声には疲労が滲んでいたが、それでも優しく宥めようとしていた。

奏夢は顔を上げ、赤く腫らした顔を見せた。涙が糸の切れた真珠のようにこぼれ落ち、言葉を詰まらせてまともに話す...

ログインして続きを読む