第25章

古川和津の氷のような視線を受け、昨晩周防奏夢がしでかした大失態を思い返した夫婦の脳裏に、ある恐ろしい考えが同時に過った。知っているのだ! 彼にはすべて筒抜けなのだ、と!

周防奏夢が古川の祖父の絵を台無しにしたことも、彼女が周防家の実の娘ではないことも。だから今日、彼はその罪を問い、婚約を破棄するためにやって来たのだ!

夫婦は顔を見合わせ、互いの瞳に驚愕と諦観の色を認めた。

事ここに至っては、これ以上隠し立てしても何の意味もない。むしろ周防家が無責任な一族であり、古川家を愚弄していると受け取られかねなかった。

一家の長である周防久林は、深く長い溜息を吐き、羞恥と申し訳なさに顔を歪めた。...

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