第26章

古川淳文が今回ひどく腹を立てたことについて、周防家には逃れられない責任があるのだと南は理解していた。

この婚約が最終的にどうなるにせよ、今や周防家の正当な令嬢となった以上、彼女としては筋を通すために足を運ぶべきだった。

彼女は軽く頷く。

「行きましょう」

古川和津は周防家の人々に別れを告げ、南を連れてその場を後にした。

病院の最上階にある特別病室の前には、重苦しい空気が漂っていた。

近づく前から、執事の鈴木が焦った様子でなだめる声と、それに混じって老人の元気な不満の声が聞こえてくる。

「飲まん! 飲まんと言ったら飲まん! あんな苦い薬、この年寄りを苦しめ殺す気か!」

古川和津...

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