第27章

南は手首にはめられた高価なブレスレットを見つめながら、どうにも落ち着かない気分だった。

ひとしきり騒いだせいで古川もすっかり疲れ果て、看護師に促されて休むことになった。

古川和津と南は連れ立って病室を出ると、肩を並べてエレベーターへと向かった。

フロアの廊下は互いの呼吸音が聞こえるほど静まり返っており、どこか微妙な空気が漂っている。

二人がエレベーターに乗り込むと、金属製のドアがゆっくりと閉まり、狭い空間には彼らだけが残された。

空気中には、先ほど彼が顔を近づけてきた時と全く同じ、清冽なウッディ系の香りが漂っている。

南は無意識に隅の方へと身を寄せ、鏡のように磨き上げられたドアに...

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