第29章

南雲律也は全身を硬直させた。

南の手首を掴む力が無意識のうちに強まる。いつも不敵な笑みを浮かべていたその瞳には、今や驚愕と傷心の色が色濃く浮かんでいた。

彼女の波一つない平静な顔の中に、ほんの少しでも冗談の痕跡を見つけ出そうとするかのように、南を食い入るように見つめる。

だが、何もなかった。

南の眼差しは澄み切って坦々としており、その微かな頷きは、目に見えない重いハンマーのように、彼の心の奥底に残っていた最後の僅かな希望を粉々に打ち砕いた。

「俺……」南雲律也は喉仏を動かし、何かを言おうとしたが、すべての言葉が喉に詰まり、一文字たりとも発することができなかった。彼女と知り合ってから...

ログインして続きを読む