第35章

仮面をつけた女はその言葉を聞くと、目元の笑みを薄れさせた。彼女は無意識に半歩後ずさり、古川和津の視線を避けながら、微かな脆さを帯びた声で言った。「今の私の姿では、やはり会わない方がいいわ。彼女を驚かせてしまうもの」

古川和津の視線が、仮面に覆われた彼女の顔に落ちる。常に鋭く冷淡な彼の黒い瞳に、微かな柔らかさと痛ましさが浮かんだ。

「そんなことはない」彼はなだめるように、しかし有無を言わさぬ断固とした口調で言った。「君の顔は、私が必ず誰かを探して治してみせる」

彼は言葉を切り、こう付け加えた。「すでに南栞なに連絡を取らせている」

南栞な。

その名前は、皮膚修復の分野において神話のよう...

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