第39章

南は周囲の謝罪を意に介さず、今にも腰を抜かしそうになっている受付の莉々にだけ視線を向けた。

「全部門の責任者に通達して。五分後、会議室でミーティングよ」

「は、はい! すぐに行ってまいります!」

莉々は恩赦を受けた死刑囚のように、逃げるような足取りで命令の伝達へ走った。

穴があったら入りたいといった様子の社員たちを一瞥することもなく、南は身を翻して真っ直ぐに会議室へと向かった。

誰もいない会議室に足を踏み入れた途端、ポケットの中のスマートフォンが震え出した。

Xからの暗号化通話だ。

「頭」

電話の向こうから、Xの軽薄な声が聞こえてくる。

南は巨大なフランス窓の前に歩み寄り、...

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