第43章

本田夫妻が車に乗り込んで去った後も、南はしばらくその場に立ち尽くし、彼らの車が夜の渋滞に吸い込まれていくのを見送っていた。赤いテールランプが完全に視界から消え去るのを見届けてから、ようやく視線を戻し、外で待っているはずの古川和津にメッセージを送ろうとスマートフォンを取り出す。

指先が画面に触れたその瞬間、怒りと詰問の入り混じった男の声が横から投げかけられた。

「南?」

南が顔を上げると、立花弘と新谷杏那がこちらへ歩いてくるのが見えた。

南は眉一つ動かさず、彼を完全に空気として扱い、再び俯いてメッセージの編集を続けた。

これほどまでに徹底的に無視され、立花弘の顔色は一瞬にして険しくな...

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