第53章

彼女が言い終わらないうちに、宮瀬秋奈がその腕をガシッと掴み、有無を言わさぬ口調で言い放った。

「あんたまでしゃしゃり出てこないの」

あまりにも直球で迷惑そうな拒絶に、周防奏夢は喉まで出かかった言葉をすべて飲み込むしかなかった。

周防家の車は、まるで逃げ出すかのように猛スピードで走り去っていった。

次の瞬間、あの黒いベントレーが音もなく滑り寄り、南のそばでピタリと停まった。

窓が下がり、古川和津の非の打ち所がないほど整った顔が姿を現す。眼鏡の奥の瞳には、薄く笑みが浮かんでいた。

「乗って。送っていくよ」

南はドアを開けて乗り込むと、彼を見据えた。その涼しげな瞳には、微かな不快感が...

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