第54章

南は部屋に戻ってシャワーを浴び、着心地の良いルームウェアに着替えると、机の前に座ってデザイン画の図面を広げた。

以前、周防奏夢に盗作された「星辰」シリーズは、もう使うつもりはない。彼女の指先が軽く動き、新たなインスピレーションが脳内で交錯し、やがて滑らかな線となって紙の上に描き出されていく。

その時、スマートフォンの画面が明るくなり、LINEの友達追加のリクエストがポップアップした。

アイコンは手入れの行き届いた見事な蘭の鉢植えで、清雅な趣がある。アカウント名はシンプルに、古川峰弘とだけ書かれていた。

古川爺さんの名前だ。

南は指先を少し止め、承認をタップした。

ほぼ次の瞬間には...

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