第57章

鈴木玉奈の罵声がぴたりと止んだ。まるで何者かに首を絞められたかのように、ヒューヒューと息を漏らすことしかできず、顔はどす黒い赤紫色に染まっている。

周囲からの視線が無数の針となって彼女の全身に突き刺さる。軽蔑、嘲笑、そして野次馬根性……

病院の入り口を抜けると、清々しい空気が室内の息苦しさを吹き飛ばしてくれた。

古川峰弘はここでようやく一人が欠けていることに気づき、左右を見回して不満げに眉をひそめた。

「古川和津の阿呆め。未来の嫁を放ったらかして、一体どこへ行きおった」

車の傍らに控えていたボディガードがすぐさま歩み寄り、恭しくお辞仪をして答えた。

「大旦那様、古川様は急遽海外と...

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