第79章

ドアの向こうからガサゴソという音が聞こえ、やがて須藤香里の声が柔らかくなり、なだめすかすような口調になった。「長島くん、落ち着いて。私たちは同じ船に乗っているんだから、見捨てるわけないじゃない。ここに百万あるわ、まずはこれで安心しなさい。心配しないで、もう買い手には連絡をつけてあるの。すぐに捌けるから、あなたに迷惑はかけないわ」

ドアの向こうの長島くんは少し沈黙し、札束の厚みを推し量っているようだったが、最終的にはそれを受け取り、口調を和らげた。だが、依然として警告の響きを含んでいた。「香里さん、これが最後ですよ。明日には絶対に品物を捌いてください。さもないと、この倉庫の鍵を直接南さんに渡...

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