第90章

十億の小遣い? 山の中腹にある別荘? 限定の高級車?

そんなもの、彼女が二十年以上も心を砕いて彼らの機嫌を取ってきたというのに、端数にすら触れたこともない!

周防奏夢は奥歯をギリギリと噛み締め、両親が南にさらに何を与えるか嬉々として話し合っているのを見つめた。よそ者扱いされる疎外感と屈辱感が、毒蛇のように彼女の心臓に絡みつく。

……

朝幸グループ、最上階の社長室。

血みどろの粛清が行われた後、社内は不安に包まれながらも、すっかりと一新されていた。

南はゆったりとした革張りの椅子に寄りかかり、目を閉じて休んでいた。

長時間の極度の緊張でこめかみがズキズキと痛み、その冷ややかな顔に...

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