第106章 俺はお前の大叔父だ

巨大グループ企業の業務管理は極めて厳格であり、会議ともなれば役員室の席に空きが一つとして生じることはない。林田グループには、会長である祖父の林田を除いて十名の株主が存在する。そのうち四名の持ち株を合わせると全体の二十三パーセントを超え、中でも筆頭株主である朝倉が第二上座に腰を下ろしていた。

会議室に足を踏み入れた水原寧々は、真っ先に朝倉へ向かって軽く頷いた。

寧々が遠慮する素振りすら見せず、もう一つの第二上座に座るのを見て、比較的若い役員が顔の眼鏡を押し上げ、冷ややかな声で言った。

「普段そこは林田社長の席です。水原さんの席は向こう側ですよ」

口を開いたのは錦戸篤志。技術出資で役員に...

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