第115章 林田心

林田大社長の一族は子孫に恵まれておらず、彼の実子は林田樺ただ一人である。そうでなければ、林田祐一を養子に迎えることもなかっただろう。

それに水原寧々はここ数年、大社長に海市在住の兄弟姉妹がいるなどという話は一度も耳にしたことがなかった。本家のある京城には林田家の子孫が大勢いるものの、海市へ人を派遣してくるのなら何の知らせもないわけがない。海市にいる親戚は、間違いなく自分たちの家系だけのはずだ。

だとすれば、どうして突然、林田心などという人物が湧いて出たのだろうか。名前の世代順から推測すれば母親と同世代の人間のはずだが、仮に大社長の意向で会社に配置された人物なのだとしたら、必ず事前に寧々の...

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