第131章 最も後悔したこと

ジェミーは桜の機嫌を損ねたくないだけで、決して彼女に媚びへつらっているわけではない。桜のその高飛車な態度に、彼もたちまち機嫌を損ねた。くるりと振り返ると、まるでこの世で最も尊い宝物でも愛でるかのように、受付係が両手で抱える箱をそっと撫でた。

彼は中からドレスをつまみ上げ、桜を真っ直ぐに見据えて真顔で告げた。

「申し訳ありませんが、桜お嬢さん。このドレスをあなたにお売りすることはできません。これは、私にとっての女神のために仕立てた特別な一着ですから」

その言葉に、桜は一瞬呆気にとられた。目の前にいるこのオネエに、まさか意中の女神など存在しようとは。ふつふつと嫉妬心が湧き上がる。ジェミーに...

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