第139章 久遠の物語

コフィロは言葉を紡ぎ続けた。

「この荘園の裏山に、一本の木がありましてね。およそ八百年前、落雷で真っ二つに裂けてしまったのです。誰もが枯れてしまうと思ったのですが……それから三百年後、なんとその木は奇跡的に息を吹き返しました。ご存知ですか、水原さん。八百年前といえば、ちょうど我々コフィロ一族が重大な危機に直面していた時期でもあったのです。当時の執政者が第一位継承者の座を争いましてね。私の先祖は権力闘争に敗れ、遠く離れた地へと流罪になりました。一族が再起を果たしたのは、それから三百年後のことです。この国にそんな数奇な運命を辿った木があると知った時、一族の者は皆、それがコフィロ家の運命を象徴し...

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