第52章 見捨てられた学士・修士・博士

講台の上で堂々と話す水原寧々を見つめながら、台下に立つ藤原南の脳裏に無数の記憶が押し寄せてきた。

藤原南が水原寧々と出会ったのは、彼がまだ13歳の時だった。水原寧々は彼より一つ年下の12歳で、小学校の全課程を独学で修め、彼と一緒に中学に進学した。その後も才能を発揮し続け、全ての科目で市内トップの成績を収めていた。

中学二年生の時、水原寧々はS市大学からの学部・修士・博士一貫教育プログラムの入学許可書を受け取り、特別な才能児クラスに直接入学できることになった。

入学許可書を手にした日、水原寧々は興奮して藤原南のもとへ駆け寄り、彼の手を引いて嬉しそうに言った。「藤原南、藤原南。見て、私S市...

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