第53章 話しましょう

「水原寧々、話があるんだけど」藤原南は長い足で歩いて水原寧々の前に立った。

「あなたと私には何も話すことなんてないわ。今すぐ消えて!」水原寧々は今やこの男を見ることさえ望んでいなかった。

「今回は誠意を持って話し合いに来たんだ。図に乗るなよ」水原寧々に対していい態度を取ろうとした藤原南だったが、彼女の表情と態度を見た途端、怒りが爆発した。

「従兄、紳士的な態度でね」高橋言葉は片手に資料とパソコンを抱え、もう一方の手で藤原南の肩をつかんだ。

「お前に関係ないことだ、口を挟むな」藤原南は高橋言葉を突き飛ばし、水原寧々の前に立ちはだかった。

「どうして最近そんなにしつこいの?昔はあなたが...

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