第74章 林田樺

ママのその言葉を聞いて、目をくるくるとさせた丸は途端に黙り込んだ。今回、妹を連れて勝手に帰ってきたことで、お母さんが怒るのは無理もないと分かっていた。いくら賢くて機転が利くとはいえ、彼はまだ五歳にも満たない子供だ。こんな真似をするのは確かに危険すぎた。もしあの時、空港で出会ったのが藤原南の親子ではなく別の誰かだったなら、自分と妹は確実に危険な目に遭っていただろう。だから、ママが怒るのは当然のことだった。

「ごめんなさい、ママ。今回は僕が軽率だったよ。でも、ママだって約束を破ったじゃないか。本国に帰ってから三日後に僕と妹を迎えに来るって言ったのに、丸々二週間待っても帰ってこなかったんだから」...

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