第七十五章 違約

藤原南は、藤原グループ本社の床から天井まで届く巨大なフランス窓の前に立っていた。手には分厚い契約書を力強く握りしめ、デスクの上には恒基バイオから送達された訴状が置かれている。

「副社長。実は、現在の窮地を脱する方法がもう一つあります。当時、薬物研究センターの倉庫引き渡しを葉氏グループに委託していましたが、彼らの納期遅延が今回の契約違反を招きました。この訴えの矛先を、葉氏グループに向けるのです」

「今さら葉氏グループのどこにそんな余力がある」

藤原南はこめかみを押さえ、吐き捨てるように言った。

「葉山社長は現在病院で寝たきりですが、奥様はすでに釈放されています。葉氏グループを破産させ、...

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