第89章 黒幕

「トラ、あんたどういう仕事してんのよ? こんなに時間が経ってるのに、何の連絡もないじゃない」

マネージャーの絵里は苛立ちを露わにして言った。眉をひそめ、部屋の中をせわしなく歩き回る。その手にはスマートフォンが握りしめられ、今にも握り潰してしまいそうなほどの力が込められていた。

「姉御、あんたが捕まえろって言ったあの女、そんじょそこらのタマじゃねえぞ。この前、林田家の屋敷に向かうのを見たんだ。中に入ったかどうかは知らねえが、あそこの警護の連中と顔見知りなのは明らかだった。あの女、姉御が言うほど弱かあねえだろ。俺のやり方は知っての通りだぜ。素人のド素人なら1000万で請け負うが、バックに厄介...

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