第91章 貴重な招待状

五月二十五日。雲の隙間から陽光が海市の地に降り注ぎ、この繁華な大都市に温かな彩りを添えていた。この日は、林田国志翁の祝寿の宴が催されることもあり、海市全体がどこか華やいだ祝祭の空気に包まれていた。

海市において、林田国志といえばまさに徳高望重の象徴である。学術界の泰斗として君臨するだけでなく、ビジネス界においても生ける伝説と化していた。その影響力は波紋のように、海市の隅々にまで浸透している。それゆえ、林田の寿宴が開かれるという報せが広まるや否や、名だたる名士たちのもとへ次々と招待状が舞い込んだ。

その中には、夏目家も含まれていた。夏目家の本来の地盤はS市にあり、彼らの一族は三男の家系にあ...

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