第103章 褒めてるの?

「俺の顔、なんか付いてる?」

権田真鳥が低く甘い声で囁く。ふっと目尻を上げたその眼差しには、三分の笑みと、わざとらしくない色気が滲んでいた。

「別に、きれいだけど」

神野若芽は客観的にそう返す。

権田真鳥の肌はやけに整っている。白さはあるのに、男らしさまでちゃんと残っている――そんな質感だ。

「それ、褒めてる?」

笑みを含んだまま、墨みたいに黒い切れ長の目が、ふっと明るくなったり陰ったりする。反則じみた笑い方。

あまりにも整いすぎた顔を前にして、神野若芽の凪いだ表情が、ほんのわずか揺れた。

けれど、それも一瞬。

「褒めたってことにしとけば」

「川市レストランは権田家の系列...

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