第122章 その場でピアノを修理する

小川悦は手をひらりと振り、これ以上言い争うなと合図した。

篠崎世梨たちが静まったのを見届けてから、小川悦は神野若芽へ視線を移し、問いただす。

「昨日、ピアノに触ったか?」

神野若芽は背もたれに寄りかかり、細くて均整の取れた脚を気だるげに組んでいる。表情はまるで他人事だ。

「触った。弾いた」

事実を言っただけだ。

小川悦の顔が引き締まり、怒鳴り声が飛ぶ。

「神野若芽! 公物を破損したら、どんな処分を受けるか分かってるのか!」

神野若芽は怯みもせず、小川悦をまっすぐ見返した。

「知らない」

小川悦はその一言に喉を詰まらせ、こめかみの血管がぴくり、ぴくりと跳ねた。

その頃――...

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