第127章 俺を甘く見るな

昨日、教頭と吹奏楽部の顧問が連れ立ってやって来て、神野若奈は困り果てた顔のまま、神野若芽の名を差し出した。

その場では、みんな「若奈は正しいことをした」と思っていた。けれど今になって振り返ると、空気の味がまるで違う。

神野若奈の胸の内は、焦りと疑念でぐちゃぐちゃだった。監視カメラの映像は、確かに自分で消したはずなのに。どうして――。

「それと、もう一つ。どうにも不思議な点がありましてね」

教授は顎をさすり、いかにも首をかしげるような仕草で言った。

「他の先生方と一緒に監視カメラを確認したところ、監視室のデータはどこも欠けていない。ところが、なぜかこの部分だけが――ごっそり抜け落ちて...

ログインして続きを読む