第129章 受けるべき罰

だが、川市第一中学の教頭の椅子を失ったところで痛くも痒くもない。彼にはウィング・ピアノ教室がある。しかも――ウィングのマネージャー直々に任命された「教室管理人」なのだ。

小川悦は足取りも軽く、ピアノ教室へ向かった。

校長室の扉を押し開けた瞬間、小川悦は目を疑った。

ウィングのマネージャーが、彼の革張りの椅子にどっかりと腰を下ろしていたのだ。

「吉川先生! 今日はどんな風の吹き回しで……! 事前に一言くだされば、こちらからお迎えに――」

小川悦は吉川英の姿を見た途端、尻尾を振る犬のように腰を折り、媚びる笑みを貼りつけた。

教頭の職を失った今、小川悦にとってこの「管理人」の肩書きこそ...

ログインして続きを読む