第143章 俺を監督してくれ

権田真鳥の顔が、ほんの一瞬だけ強張った。気づくか気づかないかの程度で、すぐに消える。

そして神野若芽の目の前で、吸いかけの煙草を指でもみ消し、やけに真面目な顔で言った。

「喫煙は健康に悪い。自分にも、周りにも害がある」

神野若芽は小首をかしげ、眉をつり上げて権田真鳥を見る。

「煙草って、イライラ忘れられるって言ってなかった? 心の拠り所だって」

権田真鳥は整った眉を寄せた。

「全部、でたらめだ」

そう言うなり、ポケットから煙草を取り出し、残っていた分をまとめてゴミ箱へ放り込む。ライターまで一緒に。

「今日から禁煙する」

神野若芽はゴミ箱をちらりと見た。

……あれ、安くない...

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