第145章 神野若芽の潜在能力

しかし、事態は神野若帆が思い描いたとおりには進まなかった。

神野若芽は片手でバレーボールをつかむと、そのまま篠崎世梨へ送る。世梨は一瞬きょとんとしたあと、慌ててトスを上げた。

だが、球の位置も角度も攻撃には向かない。世梨は仕方なく、別の味方へ預けるしかない。

「竹内媛!」

竹内媛は彼女たちのミドルブロッカーだ。必要とあらばスパイクも、フェイントの落としもできる。

――できる、はずだった。

あまりに急で、竹内媛の頭がぷつんと止まった。反応が追いつかないまま、上がったボールが自分の頭上をふわりと越えていくのを、ただ見送ってしまう。

竹内媛たちが固まっている間に、篠崎世梨の叫び声が神...

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